2016年 08月 30日
「wake-up call」/ 詩 |
貝の夢のように 白く淡く
しかし端然とした空間
長い髪を粒子の風になびかせ
オルテンシアが微笑む
静かに 然と立ち
古よりの友を見つめて
「ご機嫌いかが、勇敢な魂よ」
夕暮れに 風を浴びるherb
過ぎ去った嵐の 名残の風に揺れて
笑っている
維管束の中に 満たすのは
この今という 全てのエッセンス
小さな躍動
生命の鼓動
頬に触れる ペパーミントのkiss
オルテンシアは告げる
「少し疲れていたね。
眩い夏のローブの長い裾、艶やかな秋のドレスの袖…それらが触れ合うのが今だよ」
秘めやかに重なる 季節
舞台の緞帳は
端から少しずつ そのモチーフを変え
気付けば何時しか
爽やかな白と青の世界から
彩度を上げて
しっとりとした趣に姿を変えているだろう
絡まる蔦
色付く葉
たわわに実る 果物
紫と黄色と 枯葉色に鮮やかな紅
「伸びる蔦のように、ゆっくりと四肢を伸ばしてごらん。
少しずつ豊かになる果物のように、ゆっくりと呼吸をしてごらん」
嵐が過ぎた 晩夏の風に
秘められる 時空を超えた言伝
オルテンシアからのcommandは
優美な wake-up call
「おはよう、秋が来るよ。
君が目にしにきた、あの美しい秋が始まる」
見つめている
涼しい宇宙の粒子の風を浴びて
彼は 微笑んでいる
charmingな眠り姫は 貝の中の真珠
「おはよう、支度はできたかい?」
by RyoRakusui
| 2016-08-30 19:33
| 文芸系